紅茶の抽出方法比較:ホットブリューvs水出し

同じ茶葉なのに、淹れ方で味わいがガラリと変わることをご存知ですか? 私たちが普段何気なく楽しんでいる紅茶ですが、その抽出方法を変えるだけで、まったく異なる味わいを楽しむことができます。今回は、紅茶の楽しみ方を広げる「抽出方法の違い」に注目し、定番の「ホットブリュー」と、じっくり抽出する「水出し(コールドブリュー)」を徹底比較してみました。

1.使用した茶葉

今回の比較に使用したのは、当店の人気No.1「アールグレイ・クラシック」です。ベルガモットの爽やかな香りが特徴のこの茶葉が、抽出方法によってどのように変化するのか見ていきましょう。


2.ホットブリューの特徴

  • 味わい:紅茶本来のしっかりとしたコクと、心地よい渋みが楽しめます。
  • 香り:熱湯で抽出することで、立ち上る華やかな香りが特徴です。
  • 色合い:深みのある琥珀色に仕上がります。
  • おすすめシーン:気分をシャキッとさせたい朝や、ケーキなどのスイーツと合わせるのがおすすめです。

ホットブリューの淹れ方

  1. ティーポットを温めておきます(湯通し)。
  2. 茶葉を入れます(カップ1杯につき約2g)。
  3. 熱湯(95℃前後)を注ぎます。
  4. 3〜5分間蒸らします。
  5. カップに注いでお楽しみください。

3.水出し(コールドブリュー)の特徴

  • 味わい:渋みや苦味の成分(タンニン・カフェイン)が溶け出しにくく、茶葉の甘みとまろやかな旨みが際立ちます。
  • 香り:控えめながらも、茶葉本来の香りを楽しめます。
  • 色合い:ホットブリューよりも淡い、クリアな色合いになります。
  • おすすめシーン:ゴクゴク飲めるすっきりとした味わいで、暑い日のリフレッシュや、おやすみ前のリラックスタイムにも最適です。

水出し(コールドブリュー)の淹れ方

  1. 茶葉を入れます(水1リットルに対して約10g)。
  2. 冷水または常温の水を注ぎます。
  3. 冷蔵庫で6〜8時間(または常温で8〜12時間)置きます。
  4. 茶葉をこして、グラスに注いでお楽しみください。

4.抽出方法による成分の違い

抽出方法によって溶け出す成分に違いがあります。以下の表で簡単に比較してみましょう。

成分 ホットブリュー 水出し(コールドブリュー)
カフェイン 多く抽出される 比較的少ない
タンニン(渋み成分) 多く抽出される 少なめ
アミノ酸(旨み成分) 中程度 ゆっくり抽出される
香り成分 熱で揮発しやすい 穏やかに引き出される

5.まとめ

淹れ方を変えるだけで、一つの茶葉で二つの表情が楽しめることがお分かりいただけたでしょうか。季節や気分、一緒に食べるものによって抽出方法を選ぶことで、紅茶の楽しみ方がさらに広がります。

ぜひ、お気に入りの茶葉で両方の抽出方法を試してみてください。